「君を不幸にできるのは 宇宙でただ一人だけ」

…このタイトルにピンときたあなたは、なかなかのスピッツファンのはず。

これは、スピッツの曲「8823」の歌詞の一節です。

30代に入ってからはあまり聴かなくなりましたが、10~20代の頃はスピッツばかり聴いていました。その詞の世界がとても好きだったのです。

※記事タイトルと本文内の引用は、すべて「8823」(作詞:草野正宗)より。

ありふれた言葉の組み合わせの妙

スピッツの歌詞は一見(一聴)甘いのですが、トゲや毒が隠されているように感じます。草野マサムネの声は優しく、音楽も耳ざわりがいい。でも、言葉の底に毒がある。

そこに、はまる人ははまってしまうのだと思います。

詞には、特に難しい言葉も、見慣れない言葉も、造語や英語も基本的に使われていません。

ありふれた言葉だけを使っているのですが、その組み合わせ方が不思議というか、ちょっとずれているというか…ぱっと読んだ(聴いた)だけでは意味が通らない、そのねじれに毒が含まれているような感じが魅力だと思うのです。

例えば。

さよならできるか 隣り近所の心

隣り近所の心ってどんなココロ?

今は振り向かず8823 クズと呼ばれても笑う

ハヤブサはなぜ数字なのか。そして突如現れる「クズ」という、強くネガティブな言葉。

何だかよくわからない、気になる。…スピッツの詞はずっとそんな感じで心をとらえ続けるのです。

コピーライティングとはまた違ったベクトルですが、草野マサムネの言葉の組み合わせ方には「やられた!」と感じさせられます。

「宇宙でただ一人」なのは、誰?

記事タイトルに挙げた詞もそうですね。

「君を幸せにできるのは」ではなく、「不幸に」というところに心を掴まれます。

これは歌詞の2番で、1番は「君を自由にできるのは」となっています。

さて、「君を自由にできる」「不幸にできる」、「宇宙でただ一人だけ」の人って誰なのでしょう?

恋愛ソング的に言うなら「僕」なのでしょうが、これって答えは「自分」ですよね。

若い頃は当然「僕」=自分を好きになってくれる人、恋人って思っていましたが。歌詞の流れとしても。

しかし、この曲を書いた草野さんの答えも「自分」だったとしたら…これまた脱帽です。

 

 

 

 

 

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