実録、2歳児あるある事件

世のお母さん方の大半が経験したであろう事件が、ついに私の身にも起こりました。

まもなく2歳になろうとする息子に締め出しを食らったのです。

過ぎてみればただの“あるある”育児ネタではありますが、「まさか自分が…」とけっこう衝撃的だったので、ここに綴ってみることにします。

(長いです)

平日朝7時過ぎ、全身から噴き出る冷や汗

とある月曜日の朝7時。

転職した夫はこの日が新しい職場の初出勤日。この日から1か月半は研修期間で、家からかなり遠い拠点まで通わなければならず、すでに6時に家を出ていました。

それまでは毎日、夫婦揃って保育園に息子を送っていました。この日から期間限定で朝もワンオペとなったのです。

2歳直前のイヤイヤ期少年に一人で立ち向かい、案の定朝から猛烈にイライラしていた私。保育園に行くためにベビーカーをいったん玄関の外に出すとき、いつもはドアを足で押さえて閉まらないようにしているのですが(一瞬でも閉まって私の姿が消えると息子が泣く)、この日はぐずぐずの息子に腹が立っていたのでそれをせず、普通にドアが閉まりました。

それがすべての間違いのもと。

ドアがバタンと閉まったあと、ガチャっとちょっと嫌な音が聞こえた気がしたんです。

再びドアを開けようとしたら開かない。

最近、息子は玄関の内鍵を回せるようになっていました。そして、私の鍵は家の中。

…締め出された。

その日は肌寒い日でしたが、全身から嫌な汗がじわっと噴き出しました。

息子はドアが開かないのでパニックになり、ドアをどんどん叩きながら泣き叫んでいます。

 

教訓1:本当に急を要するなら、鍵レスキューはあてにならない

ワンオペ初日に降りかかった災難に、それはもう腹が立つやらやるせないやらで、とにかく最初はひとしきり悪態をついたダメ母な私。

「もー何やってるのほんともー!」「もーバカじゃないのもー!」と1分間くらいもーもー言っていたのですが、当然ながらそんなことしててもしょうがないわけで。

自分で閉めたんだから開けられるだろうということで、まずはドア越しに息子に懇願。

「黒いとこもう1回ガチャってしてー!」

しかし、パニックになった1歳11か月男子にはもうまったく通じず、「マ゛マ゛~!」(息子は普段私を「おかさん」と呼びますが、切羽詰まると「ママ」になる)と泣き叫ぶばかり。

幸い携帯は手元にあったので、「最短5分!」などと謳う鍵屋さんに片っ端から電話するも、どこも8時半過ぎないと来られないと言います。

おいおい、「今からなら15分で伺います!」とか書いてあるじゃんよ。

管理事務所に行けば合鍵があるはずですが、開くのは9時半。

今日が初出勤日の夫を呼び戻すわけにはいきません(そもそも遠いし)。

あと1時間以上鍵屋を待つか、それまでに私と息子で何とかするか、どちらかしかありませんでした。

保育園と会社にも電話。上司は苦笑い。

新聞受けを破壊、母は強し。

ドアに付いている新聞受けの投函口のフラップをぱかっと開けると、息子の手を握ることはできました。

ずーっとずーっと泣いています。

普段使っているこの新聞受け、以前からちょっと外れかかっていることに気がついていました。

そこで、新聞投函口から手を突っ込んで、力任せにガンガン叩きました。

するとガタンっと新聞受けが外れて内側に落ち、投函口がそのまま穴の状態になり、鼻水と涙でぐちゃぐちゃの息子の顔が見える状態になりました。

「ママぁ…」ちょうど目線の高さの投函口に縋りつき、こちらを見る目が切ない。

次に、投函口から中を覗き込んで「(下駄箱に引っ掛けてある)お母さんの傘取って!」と頼んでみました。

それは理解できたようで、投函口から入れた私の手に握らせてくれました。

そこで、その傘で鍵の位置を指して「ここガチャだよ!」と言ってみる。

わからず泣いてしまう。

それならばと、傘で下駄箱の上にあるはずの私の鍵をはたき落とそうとしてみる。

いくらやっても、違うものがどんどん落ちるばかり。

いつも鍵を置いている辺りを狙っていたのに、なぜか鍵っぽい音すらせず。

教訓2:ご近所付き合いって大切

そうこうしていると、騒ぎに気づいた隣の方が出てきました。

隣の方は70代女性、旦那さんを亡くし一人暮らし。未だお仕事もされている元気な方で、顔を合わせればちょっと世間話するくらいの間柄です。

「あー、私もやったことあるのよ〜ここで」

経験者発見。そして、そのときはお隣さんの部屋からベランダを伝って移動し、窓から入って事なきを得たとのこと。

…ここ、14階です。落ちたら死にます。これまた母は強し。

この手段は私も一瞬考えたのですが、万が一が恐ろしい上にそもそも自宅の窓の鍵を全部閉めていたので、使えない手でした。

ちょっとお話しして、息子を慰めてくれて一度部屋に戻られたお隣さん、再び出てきました。

「残り物なんだけど、元気がつくかなと思って」

りんごと梨2切れずつをラップに載せて渡してくれました。

うーん、こんな状況で食べるかなあ…と思いながらも、ひたすら泣き叫ぶ息子に投函口から「りんごと梨食べる?」と見せました。

「うわーん!!……りんごん…」

(食べるんかい!しかもちゃっかり指定してるし)

でも、このりんごがどうやら事態を好転させることになったのです。

いざというとき助けになるのは、遠くの鍵屋より近くのおばちゃんということで。

 

教訓3:パニックには食べ物(と帽子)

はむはむとりんご2切れを食べた息子は、なぜか私が傘ではたき落とした麦わら帽子を見つけて被りました。

そして、ドアの内鍵の方に手を伸ばすではありませんか。

「そう、そこ!そこがちゃっとして!」

鍵に手が届きそうなところで、ドアノブに帽子が当たって頭から落ちました。

すると手を引っ込め、諦めて泣き出す少年。

(帽子関係あるんかい)

投函口越しに残っていた梨2切れを渡すと、手を伸ばしてきてもくもくと完食。

そして、落ちていた帽子を拾って再び被り、鍵に手を伸ばしました。

(だから、その帽子はなんなのさ)

「あ、いいねー!そこだよー!」

がちゃり。

開いた!

そのとき、8時半。1時間半ぶりに開いたドアの向こうにいた息子を、とりあえず抱っこ抱っこしたのでした。

好物パワー、恐るべし。(帽子は謎ですが)

 

教訓4:まず最初に、手元は全部探しましょう

息子の足元の玄関の床は涙だか鼻水だか梨汁だかでべちょべちょ。

息子の足を拭き、お隣さんにお礼をし、とにかく出かけなきゃと下駄箱の上の鍵を取ろうとしたら、ない。気づかなかっただけで傘ではたき落としてたのかも、と思って下を探してもない。

そりゃ、傘でいくらはたいてもムダなわけです。

ま、とりあえずいいやと思って、鍵はかけずに急いでまずは保育園へ向かいました。

心配してくれていた先生方に息子を引き渡し、エプロンやら着替えやらセッティングして最後にロッカーに園バッグをかけるときに何気なく中を見たら…

私の鍵、なんでここにある?

朝、最初に玄関の外にベビーカーを出した時、園バッグは一緒に外に出していました。

…ということは、締め出されたと思った端っから鍵は手元にあったんです。

あの1時間半はなんだったんだ。

思い込みって恐ろしい。

締め出されたと思ったとき、自分のバッグの中は探しました。園バッグに鍵を入れたことなんかないので、そこに入っているかもなんてひとかけらも思わなかったのです。

なんで園バッグに鍵が入っていたのか。それは未だに謎です。

 

そしてまた、母の経験値はちょっとだけ上がる

あとでネットで調べてみると、この手の事件を起こすのは圧倒的に1歳半〜2歳児が多いということがわかりました。

鍵のようなものを動かせるようになるけど、そのこととドアや窓が開かなくなることとの因果関係がわからない、というお年頃です。

とにかくあと1年くらいは、鍵だけは常に自分の手元に持っておこうと固く誓った出来事でした。

新聞受けを力ずくで外したり、狭い投函口越しに傘を振り回したりしたせいでしょうか。しばらくは両肘から下がアザだらけでした…。

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